上級財・中立財・下級財とは(事例とともに解説します)
上級財・中立財・下級財とは何か、すぐイメージはつきますか?
贅沢品や高級品、日常雑貨や生活用品…物にあふれている世の中ですが、ミクロ経済学では所得と需要量の変化で、ある程度の財を分類することができます。
所得を給与などで入ってくる収入と捉えるのではなく、収入から支出を差し引いたものとします。
現在のコロナ禍では前よりもお金を使わなくなったなあと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
所得が上がった時に、需要が伸びるのが上級財(正常財)と言われています。
この考え方は日本だけでなく世界の中でも広く通用する概念です。
それぞれの定義は後ほどご説明しますが、最近海外の中高所得層が日本の生鮮食材を求めて購買しているようです。
イチゴや和牛など日本の生鮮食材のアジア向け輸出が増えている。香港や台湾など各地で新型コロナウイルス禍に伴う巣ごもり生活が定着。日本に旅行できないため、在宅生活の楽しみとして日本の食材を食べる中高所得者層が増えている。国内飲食店向けが振るわない日本の生産者には貴重な販路となっている。
2021/05/30 日本経済新聞より
訪日経験のある中国、香港の人たちは購買力が大きいと言われており、日本米の需要も伸びているといいます。日本で回転ずしや卵かけご飯を食べた体験から、値段は高くてもまた食べようと考える方が増えてきているようですね。
それぞれの財の定義
先述のとおり、それぞれの財は所得と需要量の変化で分類することができます。
所得が上がった、下がったという感覚の程度は人それぞれですし、どの財を好むかという部分も嗜好が影響してくるのでAさんの上級財がBさんの中級財に当てはまる場合もあります。
一般的な分類でいうと、教養・娯楽・レジャー・洋服などに当てはまるものが上級財にはまりやすく、日用品や光熱水道費、医療費などが中立財、下級財にはまりやすいとされています。
細かくいうと、所得効果と代替効果で需要の変化を表現できるのですが、この回では分かりづらくなってしまうため概念だけのお伝えとさせていただきます。
事例を挙げると、あなたは会社からボーナスが入ったので晩ごはんをすき焼きにしようと考えています。普段なら買わないですが、美味しそうな牛肉が売っていたので今晩は買いたいと思います。一方、予算をオーバーしないように野菜の量を調整し、少し減らしてみました。
この場合だと、牛肉=上級財、野菜=中立財or下級財、という位置づけになります。
今日から使える資料ポイント
最後に、今日から使える資料ポイントです。
イメージと色をマッチさせることで直感的に伝えることができます。
信号の色などで表現しても分かりやすいですね、多用は注意です。
海外から日本の製品がどう見られているかも気をつけてみる必要があります。
日本の下級財が世界の上級財などビジネスチャンスが広がりますね。
それでは、本日もよい一日を!